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師走のある日、帰宅時の駅ホームは人であふれていました。
そんな中でタバコを吸いはじめた若者がいたのです。
誰か注意してくれるかなと様子を見ていましたが、誰も言わないので、つい「ここは禁煙だからタバコを消しなさい」と注意しました。
すると、その若者は「切れ」て、暴力的な罵声が返ってきました。
恐ろしさも少しあったのですが、
「ならぬものは、ならぬ!」と思い注意し続けていると、
「君、このおじさんの言うとおりだよ」
と加勢してくれる若者があらわれたのです。
その途端、タバコを吸っていた若者が、
突然素直に「そうかわかった…」と言ってタバコを消したのです。
私が注意をしたら、もの凄い勢いで反発したのに対し、
若者が注意した途端に素直に聞き入れた不思議をどうしても知りたくて、
二人を無理やり駅の近くの飲み屋に誘いました。
最初は気まずい感じでしたが、少しずつお互いの緊張も取れて、話しはじめました。
「切れた」若者の話を聞いているうちに、少しずつ解ってきたことがあります。
それは若者がほぼ同年代の人間関係しかなく、
先輩や後輩など縦長年齢の関係や
上司、部下などという、秩序を知らず、
人と人との距離感が量れないままに育ってきたのだということです。
だから、同じ若者のことばは通じ、おじさんのことばは
聞くことができなかったのでしょう。
「親にも怒られたことがない」
「自分の思うようにならなければ頭にくる」
「人とあまりうまく話すことができない」
「人との関係性を上手に作れないので友達もいない」
でも、それでいいとは思っておらず、自分を変えたいといつも思っている。
それが彼の素直な気持ちでした。
お互いに不愉快な気持ちで帰るより、話し合えて本当に良かったのですが、
帰宅後、家内におこられました。
「刺されたらどうするの!!」
でも私は、「ならぬものは、ならぬ!」と言い続けたいのです。
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